1月31日から2日間、会派を超えた有志4名で「小規模学級特認校制度」の視察を行いました。
◆小規模学級特認校とは
小規模学級特認校とは、学校規模適正化に向けた事業のひとつであり、小規模学級を抱える学校の活性化を図るために、小規模学級の良さを活かした教育を受けたい、受けさせたいという児童、保護者の希望がある場合に、一定の条件を付した上で、指定された学校に校区を超えて就学を認める制度のことをいう。少人数のよさを活かした教育や、学校独自の特色を広く広報し、学区外から児童を募集し、複式学級の解消やPTA等の学校を中心とする地域コミュニティの活性化を目的としている。
2006年より制度開始、全国で拡がりを見せている。新潟県では南魚沼市、長岡市が導入。
◆市原市立海上小学校を訪問させていただきました。
千葉駅から5駅。「五井駅」から15分ほど走るといっきに田園風景が広がります。
新潟に似てるなあ。
さて、市原市は平成23年度からこの海上小学校、国府小学校の2校をモデル校に認定し、この制度の利用を開始しています。
本日お邪魔させていただいたのは、そのうちの海上小学校です。
生徒数は60名。そのうち10名がその制度を利用し、学区以外から通学しています。
特認校の特徴として、海上小学校は
①外国語教育-1年生からの英語学習、イングリッシュウィーク
②図画工作教育-地域の特色を生かし、表現力を高める指導
③体験活動-農業体験(米作り、そば作り)、豊かな自然を利用した自然体験
を取り入れています。
◆国際色豊かな学校内、木をふんだんに利用した清潔感。
学校自体は本当に小さな学校ですが、中は木をふんだんに使ったおしゃれな学校。温かみを感じます。
廊下には国旗、生徒たちの美術作品が彩りを添えています。階段は英語。本当に素敵な学校です。
◆4年目で定着。
校長先生、教頭先生、教育委員会折原主査から、4年目に入った小規模特認校の現状をご説明いただきました。
海上小学校は現在60名。10名が制度を利用しています。来年は1年生6名が新たにこの制度を利用する予定となっています。
もうひとつの国府小学校は現在70名。うち18名がこの制度を利用しています。
そうこうしているうちに、チャイムが鳴り、子どもたちが一斉に校長室へなだれ込んできました。
「イングリッシュウィーク」の突入です。
イングリッシュウィークとは、ハロータイムや外国語活動で身に付けた英語の表現を、月末の1週間を利用して異学年の児童や先生方、地域の方々と英語でコミュニケーションを図る活動です。
「what color do you like?」と1年生の女の子から尋ねられ、おそるおそる「Greenだよ!」と応える1年生議員。
子どもたちの発音の良さにたじたじです。
後ろでは孫をあやすかのように、渡辺仁団長も苦戦しています。
◆アットホームな授業が展開されています。
3年生がのこぎりで工作中。これは大きい学校では怖くてできませんね。
1年生は音楽隊になっていました。めちゃくちゃ可愛い。
5年生はティッシュの箱を使って算数を。インフルエンザが流行っているみたいでした。
4年生は習字の授業を行っていました。今は文鎮をハの字に使うのですね。
そして6年生。英語で桃太郎の劇を練習していました。イングリッシュもも太郎です。凄い凄い!
壁には習った英語が貼りだしてあって。
1年生から6年生までの授業の様子を楽しく拝見させていただきました。
この学校は多くの視察を受け入れているそうで、子どもたちは全く緊張していませんでした。
1学年10名程度のクラスですが、皆が楽しそう。
大規模校になじめなかった子どもさん、少しコミニュケーションの取り方が難しいのかな?というお子さんもいらっしゃったようですが、生徒の皆さん、先生方、地域の方々、そして教育委員会も一緒になって、暖かく見守っているようです。
来年はいよいよ地域外の方がPTAの会長となるようで。地域のお祭りにも参加しているそうです。
このモデルは一応5年の区切りで行っているそうですが、市原市としても、当然前向きに進めると力強く語っていただきました。
ここまでたどり着くのにも色々と御苦労されたと思いますが、学校、地域、そして市原市が連携して「素敵な学校」を創ること、アピールすることで結果、学校、地域を守っている。これは私が描く理想的な形なのかもしれません。
本市においても、生徒数の減少で100人を切る小学校が増えていきます。
統廃合も道筋のひとつかもしれませんが、地域の活性にとって学校の存続はその意味以上のものと成っています。
私は「学校規模の一律適正化」という発想にはNoと言いたい。
本市が田園型政令都市を標榜するのであれば、特に「学校の多様性」は大切にすべきだと考えます。