9月初旬から始まった定例会、引き続きの決算委員会が10月15日に終了いたしました。Facebookでは訪問をご報告させていただいたのですが、改めて農業関連の視察のご報告をさせていただきます。
■農業活性化調査特別委員会視察(10月27日~29日 兵庫県、京都府)
1)10月27日(火)-兵庫県養父市役所訪問
初日は大阪伊丹空港から陸路2時間ほどで兵庫県は養父市を訪問させていただきました。養父は「やぶ」と読みます。新潟市は昨年より農業関連の特区指定を受けてスタートを切っておりますが、もう1か所指定されたのがここ養父市です。
ちょっと話が脱線いたしますが、
「やぶ医者」はここ養父が由来なんだそうで。
本当は「名医といえば養父のお医者さん」。
ところが、それにあやかって多くの町医者が「私は養父の医者です。」と看板を挙げてしまった。たぶんその後いっぱい問題が起きたんでしょうね。いつのまにか「やぶ医者」は信用できない医者の代名詞となってしまったそうです・・・。多分本当の話です。
こんな気のきいたおもてなし旗を飾っていただき
他の委員の皆さんはどう感じたか。私は率直に言って「養父の方が上手くいっている」と感じました。(比較するものではありませんが、あえて)
新潟の農業事情と養父市とは農業環境も、自治体の規模も全然違います。ただ、地元農家の理解がないとなかなか進まないのは一緒。そういう意味ではスケールの小さい養父市の方が断然優位だとは思います。
大したものだと思ったのは、養父市長は「農業特区そのものは農家さんを直接支援する制度ではないということ」、「特区になったからといってすぐに所得があがるなどというのは幻想です」とはっきり農家に発信していること。
市長は、この制度を最大限に活用して、経済の好循環、新しい雇用を創出し、ひいては担い手である農家さんのためだけでなく、地元に居住する皆さんにメリットを創出することを目的に積極的に取り組みを行うんです。特区を取ったからといって、直接的にうまみのある話ばかりではありません。」と公言しています。そこからスタートしています。
新潟市はどうなんでしょうか。確かに大手の企業参入や農産品のブランド化、そして輸出の拡大、6次産業化や12次産業化等々、きれいな言葉は躍ってはいますが、なかなか盛り上がっていないのが現実。まだ、未来の新潟の農業が想像できない。
私は新潟の農業を大多数の兼業農家が支えている現状をどうとらえて、どうしていきたいのか。そこをはっきりさせていない。このことが一番問題なんだと思います。
だからどうしても、きれいな言葉が躍っていると感じてしまう。養父は何となくそこが、伝わり始めているんですかね。確かに小さいモデル市だけど、そこがはっきりしていると感じました。
あともう1点。
いつからそうなったのか。「特区指定」を受けた自治体は「他の特区の規制緩和措置」を利用できるんです。すなわち新潟市は「農業特区」だけではない。養父市は三井物産と連携(職員が出向しています)して、中山間過疎地の医療モデルの構築に特区を利用して取り組んでいました。あの「ドローン」を利用した薬の配布、インターネットを利用した医療モデルの構築を目指して動き始めていました。
同行いただいた特区担当部長に「農業以外の目玉の有無」について尋ねると、「まだちょっと言えないのですが・・・」と期待できるお応えが。
大いに期待いたします。
他にもリーディングシティを狙える可能性は得ているのです。
「2万6千人の元気なまち」から大いに勉強させていただきました。
(2日目へつづく・・・)